【アラビア語文法】ハムザの表記ルール 語中形は前の文字とハムザの音で決まる

2020年12月14日

よしくんのアラビア語文法ハムザの表記ルール

こんにちは!

クウェートのよしくんです。

 

今回は面白い話がありましたので紹介します!

ハムザに関するルールですね。

ハムザに一定のルールがあるのは知っていたのですが、実はそのルールは何十年もかけて議論されて決められたもののようなんですよね。

まずは現在まで主流となっているハムザの表記ルールを説明したうえで、最後にどういう流れでハムザの表記ルールが決められるに至ったのか、ざっくり説明していこうと思います。

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語頭は必ず土台はアリフ

まず、単語の最初にアリフが来る場合です。

これは簡単で、必ず土台はアリフになります。

例えば、「~ということ」を意味するアラビア語「アンナ」を想像していただくと分かりやすいです。

最初のハムザはアリフになっています。

「~ということ」を意味するアラビア語「アンナ」

 

「このアラビア語どうやって書くんだろ…?」って思った方はアラビア語の書き方説明している記事で勉強してみてくださいね!

 

語頭ハムザに他の文字がくっついてもアリフのまま

また、普通語頭にアリフが来るような単語に他の文字がくっついた場合も、変わらずアリフのままです。

例えば、先ほどの「アンナ」(~ということ)に「~のため」を意味するアラビア語「リ」がくっついて、「リアンナ」という形になった場合、このような綴りになります。

アラビア語「リアンナ」

 

この場合は前の文字「ラーム」がくっついていますので、アリフとラームがクロスする特別なカタチになっています。

縦長の線であるアリフが使われていることが分かりますよね。

 

語中では「イ」→「ウ」→「ア」→「スクーン」の順

語中では前後の音を見てハムザの土台を決めます!

1.ハムザの音と前の文字の音を見る。

2.どちらかに「イ」の音があれば土台は「ヤーウ」

なければ「ウ」の音があれば「ワーウ」

なければ「ア」の音があれば「アリフ」

スクーンの優先順位は最後

これは語尾がハムザで複数変化などでハムザの後ろに文字がつながった場合も適用されます。

 

例えば、「私は来た」という「トゥ」の場合では、「イ」がハムザです。

前の音は「イ」の音、ハムザの音は「スクーン」です。

ルールの2番目より、「イ」があるので「ヤーウ」が土台になります。

「ジウトゥ」のスクーンの考え方

 

「質問」を意味する複数形の「アラ」という単語の場合も、ハムザのほうに「イ」の音があるので土台は「ヤーウ」になります。

アラビア語で「質問」を意味する複数形の「アスイラ」

 

前の文字が長母音もしくは弱文字のスクーンの場合

前の文字が長母音「アー」「イー」「ウー」もしくは弱文字(アリフヤーワーウ)のスクーンの場合は、それぞれ「ア」「イ」「ウ」とみなして考えます。

その場合例外として、ハムザの音が「ア」の時は、前が「イ」の時以外は独立形「ء」になります。

 

例えば、「友達」の複数形を例に見てみます。

「私の友達たち」と表現するとき、「アスディカーー」となります。

この場合、前の音が長母音「アー」の音で、ハムザが「イ」の音なので、「ヤーウ」の土台になります。

「私の友達」を意味するアラビア語の複数形「アスディカーイー」

 

「あなたの友達たち」を意味するアラビア語の場合は「アスディカーカ」となります。

この場合、前の音が長母音「アー」の音で、ハムザが「ウ」の音なので、「ワーウ」の土台になります。

「あなたの友達」を意味するアラビア語の複数形「アスディカーウカ」

 

「あなたの友達たち」を意味するアラビア語で、もしも対格(目的語などに使われるカタチ)の場合は「アスディカーアカ」となります。

この場合、前の音が長母音「アー」の音で、ハムザが「ア」の音なので、例外規則で独立形「ء」になります。

「あなたの友達」を意味するアラビア語の複数形対格のカタチ「アスディカーアカ」

 

語末では前が母音ならそれに合わせる

語末は簡単です!

基本、前の文字に合わせてハムザの土台を決めます。

例えば、「読んだ」を意味する「カア」の場合、前が「ア」の音なので「アリフ」になります。

「読んだ」を意味するアラビア語「カラア」

 

前の文字が長母音か弱文字のスクーンなら独立形を置く

ハムザが語末で、前の文字が長母音か弱文字のスクーンの場合は独立形のハムザを置きます。

例えば、「夕方」という単語の場合は、「マサーゥ」で最後がハムザですが、前が「アー」の長母音なので独立形のハムザになります。

「夕方」を意味するアラビア語「マサーゥ」

 

「もの」を意味する「シャイゥ」も、前の文字が弱文字(ヤー)のスクーンなので同様に独立形になります。

「もの」を意味するアラビア語「シャイゥ」

 

補足として、ちょっと細かいですが、この語末のパターンでは、語尾に対格の「アリフ」がくっついた場合、前の文字が連結可能な文字ならヤーウの土台になります。

離れているのは違和感あるので前後繋がるようなイメージですね。

「シャイゥ」も対格のカタチになって「シャイアン」になった場合に連結されます。

「もの」を意味するアラビア語の対格のカタチ「シャイアン」

 

これで語頭、語中、語末ばっちりです!

 

ハムザの土台変化のまとめ

今回紹介したハムザの表記ルールをまとめるとこんな感じです!

語頭「アリフ」が土台になる

語中

1.ハムザの音と前の文字の音を見る。

2.どちらかに「イ」の音があれば土台は「ヤーウ」

→なければ「ウ」の音があれば「ワーウ」

→なければ「ア」の音があれば「アリフ」

スクーンの優先順位は最後

3.長母音「アー」「イー」「ウー」or 弱文字(アリフヤーワーウ)のスクーンのは、それぞれ「ア」「イ」「ウ」とみなす。

その場合例外として、ハムザの音が「ア」の時は、前が「イ」の時以外は独立形「ء」になる。

語末:

基本は前の文字に合わせてハムザの土台が決まる。

前の文字が長母音か弱文字のスクーンなら独立形「ء」を置く

語尾に対格の「アリフ」がくっついた場合、前の文字が連結可能な文字なら「ヤーウ」の土台になる

長ったらしいですが以上がハムザのルールになります。

とりあえず、語頭はアリフ、語中はイウアスクーンの順、最後は前の文字の音次第か独立形と覚えればある程度はカバーできるかと思います!

 

ハムザの表記の議論は数十年かかっている

今回紹介したハムザ表記は、今現在一般的に扱われているもので、1960年のカイロ・アラビア語アカデミー主催の「第26回アカデミー年次大会」で決められた指針のものです。

 

実は、もともとハムザ表記にはブレがあったんです。

最初にハムザの表記が問題に挙がってきたのは1934年のイスカンダリーという人物が提示した「正書法改革」という論考からでした。

そこから議論が始まり、1947年のアラブ連盟文化会議が案を出したり、それに対しイラク学術アカデミー等が見解を出したりと、時代によって案が二転三転しています。

そして最終的に、1960年の「第26回アカデミー年次大会」で今のハムザ表記になっています。

 

実はその後の1980年のカイロ・アラビア語アカデミー第46回年次大会で、ハムザに対する新たな規定が採択されたりもしています。

しかし、この規定は広範には広まらず基本エジプトでのみ見られるようです。

ハムザのルールの説明を見て「ん?」と思った方はその1980年の表記方法をご存知なのかもしれませんね。

 

ハムザは奥が深いです…!

 

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