【アラビア語文法】37~39:地名と名詞の3段変化、2段変化
今回は地名と名詞の3段変化、2段変化について説明します。
アラビア語の3つの格
日本語では「私は」と言うように、「は」を付けると主語になります。アラビア語でもカタチが変わることで主語や目的語を表すことができます。
アラビア語の場合は、主格・属格・対格というように、3つの格があります。
1:主格(主語や名詞文の述語の時)
2:属格(前置詞の後ろ「~の」に当たる時)
3:対格(目的語、副詞に当たる時)
多くの名詞の場合は、図のように末尾の音が変化することで、主格・属格・対格と分けられています。
定冠詞「アル」がつく地名は3段変化になる
英語でいう「the」に当たる定冠詞「アル」 これがつく地名は末尾が3段変化になります。
3段変化の地名は上述の3つの格に対応して、末尾の音が 主格:ウ 属格:イ 対格:ア となります。
例えば「日本出身です」と表す場合、「ミナ ルヤーバーニ」となります。
ミナ:前置詞ミン「~から」の意味。直後のアルと音がくっついて「ミナ」と変化したもの。
ルヤーバーニ:「日本」の意味。定冠詞اَلْが前の前置詞とくっついて、「ル」と音が落ちている。末尾が前置詞ミンに影響されて、属格「イ」の音になっている。
定冠詞アルがつかない地名は2段変化になる
定冠詞アルがつかない地名は、末尾が2段変化になります。
2段変化の地名は上述した3つの格に対応しますが属格はアの音になり、末尾の音が 主格:ウ 属格:ア 対格:ア と2種類の音だけになります。
例えば「エジプト出身です」と表す場合、「ミン ミスラ」となります。
ミン:前置詞ミン「~から」の意味
ミスラ:「エジプト」の意味。末尾が前置詞ミンに影響されて、属格「ア」の音になっている。
長母音で終わる地名は不変化
末尾の音が長母音(のばす音)で終わる地名は、末尾は不変化です。
末尾不変化の地名は、実際は格は変化していますが音は全く変わりません。
例えば「東京出身です」と表す場合、「ミン トーキョー」となります。
ミン:前置詞ミン「~から」の意味。
トーキョー:「東京」の意味。末尾が前置詞ミンに影響されて属格になっているが、見た目の変化はない。